10月6日、阪急電鉄では、新型車両2300系・2000系を2024年夏より導入すると発表しました。新型車両導入を行うのは、2013年の1000系以来11年ぶりとなります。
この新型車両の主な特徴は次の3つです。 開発コンセプトは「安心と快適、そして環境に配慮した新しい阪急スタイル」です。
- 「疾走感」を醸し出すデザインを採用
- バリアフリーと省エネルギー性能を追求
- 京都線では大阪方から4両目に当社初となる座席指定サービスを導入
外観
伝統のマルーンカラーの車体、木目調の化粧板、ゴールデンオリーブ色の座席など、2022年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞した「阪急電車」のイメージを継承しつつ、前面の窓ガラスに曲線を取り入れて「疾走感」を醸し出したデザインに変更します。
1000系・1300系のデザインを引き継ぎながらも、前面ガラスに曲線を取り入れているのが特徴です。また、乗務員室扉横の小窓が無くなっています。
車外側面の行先表示器のLEDは、走行中は消灯されます。
車内
車内では、すべてのお客様にとってやさしい移動空間を提供できるよう、先頭車両の車いすスペースを拡大し、吊り手の高さを下げ、吊革の色を色覚の多様性にも配慮したものに変更するなど、バリアフリー設備を充実させます。
京都線の2300系セミクロスシートの車内です。9300系と大きくは変わらないですね。社内案内表示器が大型化されてるぐらいでしょうか。補助いすはあるのでしょうか?
2000系車内です。袖仕切りが半透明に変わるとのことです。1000系と比較し、座席の握り棒が増えています。起き上がるときに便利そうです。
また、阪急初の設備として、インバータ式空調装置・空気清浄機が採用されます。
車いすスペースが大きくなります。ラッシュ時は立ち席スペースが増えることで混雑緩和できそうです。
その他、事故時の状況確認などのために、防犯カメラが設置されます。
技術・特記事項
・制御装置・・2000系はAll-SiC MOS-FET VVVFインバータ制御装置を、2300系はハイブリッドSiC IGBT VVVFインバータ制御装置
・車体・・アルミダブルスキン構造
・2両目と6両目のパンタグラフ搭載車の番号は2800形・2850形となり、京都線のかつての特急用車両2800系の番号が復活します。
【阪急発表】
座席指定車両について
話題の座席指定車両については、今回のニュースリリースでは言及がありませんでした。どんなサービスになるのでしょうね。京阪特急のプレミアムカー並みか、はたまたそれを超えるサービスが提供されるのか、名称は何になるか今から楽しみですね。
新型車両導入伴う既存車両の動向(予想)
京都線
新型車両2300系導入に伴い、現在特急運用に就いている9300系は、順次ロングシート化されるものと思われます。そうなると、3300系・5300系の8連車は全廃、7連車も大半が置き換えになりそうです。京都線の7連車は、正雀車庫のスペースの関係と河原町2号線の制約から必要になるため、7300系か8300系の一部が7連化されるかもしれません。
▼京都線茨木市で並ぶ阪急9300系
宝塚線
新型車両2000系導入に伴い、5100系が全廃になりそうです。
▼宝塚線曽根を通過する阪急5100系
神戸線
新型車両2000系導入に伴い、7000系を6連化の上今津線に転属し、現行の5000系は全廃になりそうですね。6000系にも影響が出るかもしれません。
▼今津線宝塚南口に到着する阪急5000系