大阪市高速電気軌道(愛称:大阪メトロ)では、2025年開催を予定している大阪・関西万博の来場者を円滑に運ぶため、アクセス路線となる中央線の運行本数を、最大5割増やす方向増やすことがわかりました。2月2日付朝日新聞
万博の運営主体となる「日本国際博覧会協会」によると、1日あたりの来場者は最大28万5千人を見込んでおり、中央線がその4割にあたる11万8千人の輸送を担う計画で、メトロは中央線コスモスクエア駅(大阪市住之江区)から夢洲駅(仮称、同市此花区)まで約3キロ延伸する工事を進めている。万博の開催期間中のピーク時には著しい混雑が予想されるため、運行本数を現在の1時間あたり最大16本から最大24本に増やす方針だ。メトロが新たに車両を導入し、万博期間中の一時的な設備になる車両置き場や臨時改札は府市が整備費用を負担する。車両置き場は、大阪市城東区のメトロの森之宮検車場を一部改修し、利用することを想定している。府は新年度予算案に、当面の工事費用など約2億円を盛り込む。
記事にはこのように書かれています。現在は、朝ラッシュ時に最短3分15秒間隔で16本運転されていますが、万博会期中は新型車両を導入して、運転間隔を2分30秒まで詰めて24本運転させる計画のようですね。しかし本当に本数増発だけでさばききれるのでしょうか?現在の6両編成を8両編成に増結しないと難しいと思われます。しかも、大阪の玄関口となる新大阪・梅田・難波からは本町で乗り換えとなりますが、御堂筋線や本町駅の混雑も激しくなりそうですね。
中央線の現在の車両について
ちなみに、中央線で運用されている大阪メトロの車両は2系式20本あり、内訳は以下の通りです。
- 20系 15本(0番台・・6本、30番台・・9本)
- 24系 5本
このうち20系は、1984(昭和59年)から運用を開始した、大阪メトロでも古参の車両です。万博会期が終わると車齢は41年となりますが、車内のリフレッシュ工事は全く行われていないことから、廃車になると思われます。続いて、新20系シリーズの24系ですが、こちらは1991(平成3年)に登場した車両です。全車リフレッシュ工事が済んでおり、車齢も34年なのでまだつかうことができます。
新型車両(仮称:40000系)
大阪メトロ初の新型車両となる(仮称:40000系)は、以下リンク先にある資料でデザインが描かれており、中央線へ30編成導入される予定となっています。>>大阪メトロ発表(仮称:40000系)は非貫通の流線形で天井まで届く大きな窓が特徴ですね。景色の良い観光特急のデザインとしては素晴らしいのですが、今回は地下鉄車両です。しかも法令で正面に貫通扉が必要なため、このデザインから大幅に変更されると思われます。30編成もあれば、20系のみならず24系も置き換え可能ですね。ただ、万博閉幕後に中央線の本数が元に戻るとすれば、10編成以上余ってしまうことになります。そして、まだ使える24系はどうなるのでしょうか?
【予測】新20系シリーズをもはや置き換え?
まさか・・と思われた方もいらっしゃると思います。新20系は大阪メトロの第三軌条各線で見かけることができますが、最も早く導入されたのが1990年(平成2年)の22系(谷町線)と23系(四つ橋線)です。
▼谷町線の新20系シリーズ22系 22604(リフレッシュ工事済み)▼四ツ橋線の新20系シリーズ23系 23603F導入から車齢が25年以上経過したため、2010年頃より姉妹形式である25系(千日前線)を皮切りに、21系(御堂筋線)・24系(中央線)でリフレッシュ工事が行われています。このうち、24系・25系は工事完了で、21系は大半の車両がリフレッシュ工事済みです。しかし、初期に導入された22系と23系はリフレッシュ工事が進んでおらず、22系に至っては全27本中20本以上も未改造車がいます。もしかすると、22系か23系のどちらかが、万博閉幕後に新型車両(仮称:40000系)の一部やリフレッシュ工事済み24系で未改造車を置き換える可能性があります。私の中では新20系シリーズの廃車なんてありえないと思っていたのですが、車齢はすでに30年以上になれば大阪メトロでは置き換え対象になるようです。他私鉄では50年以上経過した車両がまだ活躍中なのにもったいない話でもあります。