60系は、1969年(昭和44年)に登場した、堺筋線の車両です。
堺筋線の開業および、阪急京都線・千里線との相互直通運転開始に合わせて製造されました。
車体はアルミ合金製で、基本設計などは30系アルミ車と似た部分が多いようです。
前照灯や尾灯、方向幕の位置など前面デザインは、当時の阪急の車両デザインに似せて設計されています。
ただ、上部まで拡大した前面窓や、その中に方向幕・尾灯を配置したデザインは、大きな注目を浴びました。その結果、1970年(昭和45年)に、大阪市営地下鉄として初めて、鉄道友の会よりローレル賞をを受賞しました。
当初は5両編成で登場したものの、1979年(昭和54年)には6両編成に、1993年(平成5年)の天下茶屋延伸後は8両編成に増結されていきました。8両編成化にあたっては、先頭車をそのまま編成中間に組み込んでいました。
60系は製造当時から冷房設備がなく、阪急車両がすべて冷房化された後も非冷房のままだったため、問題となっていました。このため、1990年より冷房設備の取り付けが始まると同時に、行先表示器の増設や側扉の大窓化などの更新工事も行われました。
1990年(平成2年)には、後継形式となる66系が製造され、2年後には当時非冷房だった編成と8両編成への組換えで余剰となった編成は廃車になりました。
2002年(平成14年)には、66系の後期車が増備され、60系は全廃となりました。
現在、森ノ宮検車区に6014番の先頭車1両のみが保存されています。
走行路線:堺筋線・阪急千里線・京都線
編成:8両編成×9編成=72両 (末期)